方々に人の“死”に関わる内容を含むんで、少しでも嫌だと思ったらスルーの方向でお願いします。

実態は「もういっそアンサイクロペディアに項目作れや」と、全力で突っ込みたくなった出来事なんですけどね(ぉ
去年の7月、長患いの不養生だった実父があの世に旅立ちました。
病歴とか最期の数週間とかについては生々しいんで言及避けますけど、葬式を終えた後でちょいと困った事になりました。
そう、お墓。
それも端ッから用意する気ゼロだったから手に負えないんですorz
お墓さえあれば、入れる事自体は至って簡単なんです。
そもそも日本の基本ルールは“死んだら火葬してお墓に入る”なんで、法的な段取りがちゃんと整備されてます。何より葬儀屋さんなんて有難いナビゲーターがいるんで、葬儀屋さんが関わらないで葬式が営める人でない限りはそんな困った事にはなんない。
葬儀屋さんにお願いすれば、葬儀の段取りの合間に死亡診断書+死亡届>火葬許可証>埋葬許可証と、TPOに応じた書類を入手してくれます。あとは四十九日辺りを目処に用意したお墓に入れればOK(※霊園使用許可証はお墓を拵えると発行されるモヨリ)。
故人の実家はいわゆる旧家なもんでそりゃもう立派なお墓があるんですけど、当人がその実家を嫌ってたもんで「実家の墓には絶対入れるな!暖かい海に散骨しる!!」が生前の口癖という困った人間でした。
しかし“死んだら埋葬”が日本のルールなんで、故人の遺志に従って散骨するとなると話は一筋縄ではいかない。唯単に好きな処に遺骨をばら撒くのが散骨ではないんです、てか適当に散骨するとしょっ引かれます。
そもそも散骨には正規の遺言状=公正証書が(事実上)必須アイテムなんですが…それさえ書かずに死にやがったから面倒な事になった訳で(苦笑
ほとほと困り果てた末に出した結論が、文字どおり“仏様”になって貰う事。
生前たんまり悪い事したんだから、仏にでもしないと映姫様のレーザー攻撃だけじゃ如何にもなりません罠。
仏にしたらしたで聖のエア巻物が襲ってきそうですががが。
などという東方厨の解釈はさて置き。
仏様になるべく大阪市内の某有名寺院で絶賛待機中の故人ですが、先般、そのお寺さんから喪主の母宛にお呼び出しがありました。
そこは全国各地から“仏様”を受け入れてるお寺さんなんで、その都度その都度法要を営みません。その代わり、前の年に受け入れた方の法要を一気にまとめてやります。通知とは「その年に一度の法要に参拝してください」って案内ハガキの事。
まぁ、コレ逃したら開眼供養までお任せ状態になるんで、法要くらい顔出さなアカン罠って事で母が大阪まで出てきました。
御堂筋線なにそれ美味しいの>新大阪で立ち往生必至の母を放置する訳にもいかず、当日は新大阪まで迎えに行く事に。
新大阪で一服し、御堂筋線なんば駅から徒歩でぽてぽてとお寺さんまで。タクシー使えとか色々抜かしましたが黙殺です。うるせー大した距離じゃないんだから歩けや。
早めに行けば昼過ぎには終わるだろうと踏んで現地入りしたのが11時ぐらい。すれ違う人の多さに嫌な予感を押し殺しつつ、手渡されたタイムテーブルを見て唖然とするワタクシ。
渡されたタイムテーブルの内容ですが、ざっくり書くとこんな感じでした↓
受付してください
↓
お焼香(1)
↓
※お急ぎの方はここらでエスケープしてください
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
↓
お焼香(2)
↓
お焼香(3)
↓
お暇なら簡単なお説法などをお聞きください
↓
甘茶をどうぞ
(できればグッズなど買ってくれると嬉しいです)
↓
お疲れ様でした、気をつけてお帰りください
( Д ) ゚ ゚
な、何をいってるが判らねーが(ry
焼香が3回というのは納骨堂+本堂+αで判らなかないんですが、焼香(1)後に逃げ道とはこれ如何に?
不審に思いつつとにかく流れに従い受付へ。因みに受け付けまでに掛かった時間は凡そ30分。しかも一般道やら駐車場やらをぐるぐる回らされてるその横で、救急車のサイレンが鳴り響くという何とも凄まじい状況でした。
畢竟、寺男などのスタッフさんは(慣れててても)殺気立ってます。無線でスタッフ同士が連絡を取り合ってます。民間警備会社が列整備する傍ら、天王寺警察署が門前でテント張って駐在する程度は大事です。
如何にかこうにか受付を済ませて更に10分後。ようやっとお寺の境内に近付き抹香の匂いをほんのり嗅いでそれっぽい空気を感じ取るも、門の上でアンプに挟まれ踊る謎の集団ががが。
…法要だよな?
ここは有明のコミケ会場とかじゃないよな?
膨らむ疑問と過ぎる不安を噛み殺していざ境内へ。
「ただいま入場制限を行っております」
「4列で可能な限り詰めてお進みくださーい」
「こちらのお焼香場があいてまーす、奥に詰めてください」
「後ろがつかえてます、一拝でおねがいしまーす」
わっちゃわっちゃの状況で第一焼香。
焼香して南無南無してふと目を開けるとまん前で、徳用と思しき袋入り抹香が香炉へどさどさ追加されました。
法要だよね?
法要だよね!?
お経が聴こえるから多分法要だ。うん。
いい聞かせて第二焼香所へ進む訳ですが、この段階で脱落する参拝者多数…2~3割はここで列を抜け、裏門から出て行かれてましたでしょうか。
実数は不明ですが、不揃いのテント幅ギリギリに組まれたパーティションに押し込められ、ぎゅーぎゅー押されながら進まなあかん状況を目の当たりにし、ドン引きしたのか面倒くさくなったのかは定かでないものの結構抜けてったのは確か。
横で残留組から「狭いわー」とか「暑いわー」とか「早よしいや」などと不満が聴こえるのも致し方ない、極めて殺伐とした状況の中でいざ第二焼香所@納骨堂へ。
例によって「一拝でお願いしますー」という悲鳴染みたスタッフさんの指示に従い南無南無その2。ふと目を開ければ10cmドッチファイルでそろばん責め状態になったお坊様数名が必死の形相でお経を唱えてました。
ねぇ法要なんだよねコレ!? (゚Д゚;≡;゚Д゚)
第三焼香所@本堂も状況は似たり寄ったり。
こちらは送られてきたハガキを回収>故人の名前を読み上げてるんで、お坊様がそろばん責めになるような事態には陥ってませんでした…が、お堂内に疲労感溢れる極限状態である事に一切の差異はなく。
そりゃ他所のお寺さんから応援が仰山来る訳だよ('A`)<別のお寺さんの即席ネームプレートつけたお坊さんがいっぱいいた。
ようやっとお焼香を終え、休憩兼ねてお説法。小難しくも何ともなく、いっそ漫才くさかったは仕様です。
いってる事は極めて真面目なんですが(確か想定外だとか何でこんな目に遭わなきゃなんないんだって文句垂れてるから苦しいんですよー万事御仏のお導きなんだから受け入れなさい、そうする事で救われるんですよー…的な内容)、笑いやら実話を交えなきゃ誰も聞きゃせんわ。
母は唖然としてましたが、私は西の坊さんなんてこんなモンでしょと至って冷静(もっと斜め上な坊さん知ってるしw)。
程よくキリの良い処で抜け、甘茶を飲んで一息。ここまでの所要時間は大体1.5時間って処でした。
お経訊いて疲れると思いきや、有明で並ばされてるような錯覚に陥るという何とも素敵な法要。葬式とは別ベクトルの疲労を味わうとは思いもしませんでしたorz
まぁ見掛けとは裏腹で案外にしてチャランポランだった故人には、下手に格式ばってて堅苦しいお寺さんに放り込むより、このくらいカッ飛んだお寺さんのお世話になるのが丁度いいのかなー、とは思います。
で。
帰り際、ショップが出てたんでチラ見したんですが…お寺の写真集、次行ったら買いそうで怖いですw
表紙に猫とかズルいよ!><
>>追記
後で訊いた話、法要での救急搬送沙汰は毎年の恒例行事らしいです(ぇー
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